Grad Students are Workers?

この前ホプキンスにやってきた PhD Comics の作者が,JHU の様子を描いたコメントを載せている.それによれば,ここ JHU の大学院生が TA/RA としてもらう給料は結構少ないそうだ.他校のデータを知らないからよくわからないけど,確かに家族と一緒に住んでいる留学生はかなり大変だと前々から思っていた.

某衆議院議員じゃないけどざっくばらんに話すと,今年度自分が RA としてもらっている給料は年間$21,000(もちろんボーナスは出ません).12で割って$1,750/月,ここから連邦税 (Federal Tax) と州税 (State Tax) が毎月$300強引かれるので,手取りが$1,450弱になる.昨年の小遣い帳データによれば,自分の出費は月々$1,200±$100くらいだった.これに自動車の保険(まだ免許取得1年目なので半年で約$1,000)と日本帰国を年1~2回とすれば,それでプラスマイナスゼロくらいな気がする.車も持たず母国へも帰国しなければ,留学生が夫婦でも辛うじて生活していけるかもしれないけど,やっぱり結構厳しい.日本の大学院生からすれば,授業料免除の上仕送りなしで自活できるのでこれで文句を言うなんてとんでもないと思うかもしれないけど,アメリカの学生はそうじゃないようだ.

話が結構ややこしいので簡単にまとめると,まず,全米自動車労働組合 (UAW) が中心になって TA/RA の組織化を図っている.一方,全国労働関係局 (NLRB) に私立大学の TA/RA の団結交渉権が委ねられていて(州立大学は各州によりけり),長い間 NLRB は大学院生にこの団体交渉権を認めていなかった.これが2000年に方針転換し,私立大学の大学院生を労働者と認定し,大学院生の労働組合が認められた.ところが近年再び組織化にブレーキがかかり,2004年7月13日,TA は労働者ではないという判断が下される.これを受け,各私立大学ではストライキが起きた.イェールやコロンビアのように自主投票の末,大学に組織化を求めるところもあった.ニューヨーク大学では NLRB の決定を受け,今年6月に組合承認取り消しを決定.ところが,大学院生をはじめ,教員なども大学の方針を批判したことから,大学側が『新労働協約案』を UAW に提示し48時間以内の回答を迫り(交渉の余地なし),結局 UAW は受け入れ拒否.そして2005年8月5日,ニューヨーク大学は UAW と今後の労使交渉を行う意思がないことを表明.そして11月9日朝,約500人の学生がデモ行進を始め,大学側が『誠意のある』対応をするまでの無期限ストライキを開始.その間,ストライキに参加している大学院生は TA や RA の仕事は一切行わず,クラスによってはキャンセル(でも,大学側が代わりの TA を補充予定)や学外で授業を開くとのこと.一方大学側は,もはや労働組合はないので正式なストライキではない,TA/RA は働く義務があるためこれは非常に遺憾である,と言っている.現在もスト続行中の模様.かなり内容を端折っているので,わかりづらかった方,より詳しい背景を知りたい方は下記リンク(上記3つは同一サイト)へどうぞ.

RA は指導教官から出る場合が多いのでこれにはあまり該当しないと思う.まして自分の場合,今年6月からようやく給料が出るようになったので,仮にそれが TA として働いて出るお金であっても,こんな行動はしない(というかおこがましくて出来ない)と思う.明日が期限に迫ったヤンキース・松井選手の交渉を見ていても思うけど,確かにはっきり主張することは大事だと思うけど,なんだかここまでやるのはどうかと思ってしまうのは日本人的発想なんだろうか?ちなみに給料は大学周辺の物価をもとに決まることが多いらしいので,一概に金額の多い少ないだけで他大学よりも良い・悪いというのは決められない.同じ学校内だったら,他専攻より少ないのは悔しいかもしれないけど.


●参考
New York University: GA/TA Issues
GSOC/Local 2110 UAW
ミシガン日記: ストライキ
IPSO FACTO: イェールとコロンビアの自主投票の件 (エントリーの後半)

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トラックバック、ありがとうございました。うちの姉も15年前にアメリカで博士課程に在籍していた時にTAなどの仕事をしていたのですが、当時もサラリーは悲惨な額だったらしく、拝読させていただいたブログの記事から察しても、あまり状況は好転していないようですね。お金を全ての判断基準にする考え方には僕も賛成しかねますけど、もう少しサラリーを上げてもいいのではと感じます。

TA / TF の時、いくらだったかなぁ? 

最後の年はスカラシップでしたが、それは $15000でした。これを 12ヶ月分にしても 9ヶ月分にしてもよい、という変な制度でしたので 9ヶ月でもらいました。それで TF の時よりもちょっと収入が減りました。

当時はあまり苦労したと思いませんでしたが、今思い出すとちょっと苦学生でした。外食時に飲み物を注文するのが、なんとなく贅沢でした。

おれはラボからRAとしてフルでもらってるけど、tyamaさんより少ないです。ちなみにうちは月給制の模様(出入りが激しいから?)。給料は学科や研究室の資金事情で変わってくるみたいですね。ラボによっては昇給もあるみたい。

タックスで引かれた分は申告すればある程度戻ってくるみたいです。数百ドル単位でね。フォームの記入がめんどくさいらしいですが。

ストライキがあるのはアメリカらしいね。

アメリカでの最初の 2年は連邦税がかからないので、全額もどってきました。今もそうなのかはわかりませんが・・・
もちろん、州、市によりますが、州税、市税ともに、収入が少ないといろいろお得な割引があって、それもいちいち返してもらえました。

いつも月々多めに引かれていたので、年明けの確定申告は、貴重なボーナスでした・・・

> ひろふみさん
確かにもらう側の心理からしてみれば給料が高いに越したことはないんですが,例えば TA の場合,そのお金は学科から出てくると思います.さらにそのお金の大半は学部生の授業料から出ると思うので,TA の給料UP = 学部生の授業料 UP に繋がるのではと思います.そう考えると,昇給を素直に喜んでいいものなのか...ちなみに最近 Ivy をはじめとしたトップスクールでは,学部生のアメリカ人・留学生に関係なく need-based の奨学金が出るそうです.毎年 TA の給料は UP しているはずなので,この仕組みがいまいち理解できません.
http://morita.alc.co.jp/takuya/2005/09/post_8.html


> びいさん
TF って何の略ですか? Teaching Fellow? TA と違うんでしょうか??

前田さんの日記に,教授の給料も9回に分けて払われるって書いてありましたね.ウチにはそういう制度はないようですし,同じラボにいるので夏の資金が他から出ることもないため,1年分を9回に分けてもらっても逆に困ってしまいます.

税金の話は前にもちょっと書きましたが,協定が変わったようで,1年目のみ,しかも所得の$2,000に当たる範囲でしか連邦税が免除されないそうです.つまり約$300戻って終わりってことになるんでしょうか.市税って項目はないんですが(それとも免除?),メリーランド州税は払う必要があるそうです.僕はもう連邦税免除を申請してしまったので,春のボーナスがないってことになりますね...


> king
ウチはどういう契約かよくわからないけど,セメスターか年毎なのかな?MIT に通ってる robo さんの話によれば,今年の MIT の航空宇宙でスポンサーの都合で RA の給料がご破算になった学生がいるそうです.そんなのありなの?って思うけど,実際にあったらしいです.恐ろしい.
http://robo.blog5.fc2.com/blog-entry-138.html

うちは年間契約・12回払いなので、卒業が5月だとしても、8月まで働かなくてはいけないことになっています。そうでもしないと、パートタイムでしか働かない大学院生をとるよりフルタイムのスタッフを雇ったほうが教授としては得ですもんね。

Ivyとか寄付が多いところは大学の基金をうまく増やしてそこから出してるんじゃないでしょうか>need-based の奨学金
ハーバードなんて基金が3兆円あるそうですよ。
http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__1467998/detail

スポンサーの都合は怖いですね。カトリーナの復興費が研究費に影響すると言ってる教授がいました。

TF は Teaching Fellow で、ピットでは、TA よりちょっとランクが上でした。たぶん、comp に受かったPhD の生徒がなれるらんくだったと思います。給料も少しだけあがりました。

ちなみにテネシーには州税がありません。その分、消費税が高いような気がします・・・

> shima
> 卒業が5月だとしても、8月まで働かなくてはいけない
てことは,みんな8月まで残らなくちゃいけないってことなの??

確かに多額の寄付があるってのは容易に想像できるけど,各学科に満遍なくあるのかな?基本的に学科・専攻単位の『経営』のような気がするので.あと,誰にでも need-based の奨学金を出す一方,学費が年々上がり続けるってのもなんだか不思議な感じがする.それにしても3兆円ってすさまじい...

> びいさん
TA → TF は,日本の会社で資格を取ったら給料が微増するのと同じ感じなんですかね.まだ TA をやっていないのでウチの専攻の給料体系はわかりませんが,TA の給料だけじゃ生活できないってことは専攻が言っています.だから RA の給料(指導教官から)と別に TA の給料(専攻から)が出て一見収入が増えてよさそうだけど,TA をやっていても RA としてしっかり働く必要があるので結構大変です.2セメスター TA をすることが卒業条件なので,授業がほぼなくなる3~4年目にやる予定です.

よく考えたら、最近2ヶ月で10円くらい円安になってるから、この影響は大きいね!学費が年々上がるのは、アメリカのデフォルトなんじゃないかな。俺の身の回りを考えてみても、家賃($715->$760)、ある自販機のジュース($1.00->$1.10)、よく行くとこのカレー代($4.50->$4.75)と1年間でいろいろインフレしてるよ!

こんにちは。
私の場合(Biomedical Eng., CMU)、手取りから保険料を差し引いた後では山本さんとあまり変わらないようですが、うちの場合、schoolによる違いが大きいようです。心理学部の彼女が私より年収で約9000ドルも多いのを知ったときにはorz...でした。彼女の場合NSFからのgrantが少し足されていますが、それでもこの差は。。。CSはやっぱ多いのかな > shimaさん
ま、給料安いですけど、授業取り(or 聴講)放題なので、教授の了解をとって空手とか取って人生を充実させてます。外で習ったら高いでしょうからね。qualifierとかproposalとか終わって時間ができたら、いろいろお安く学んでおきましょう!

>tyamaさん
>> 卒業が5月だとしても、8月まで働かなくてはいけない
>てことは,みんな8月まで残らなくちゃいけないってことなの??
人によって違うかもしれないけど、おれの契約はそういうふうになってるよ。長期休暇は年間2週間までで、特例を使うと4週間まで取れるようになってるんだけど、おれは特例使って4週間フルに日本に帰ってるからアメリカのほかの都市とかあんまりいったことないんだ(笑)

>DAIGOさん
今日のピッツは寒いですね。明日の最高気温0度らしいです・・・。
さて、ご指名を受けたのでお答えしますと、僕は去年$1500/month、今年1700でした。聴講で空手も取ってしまうとは、タフですね!ぼくも毎週UCのジムに行くようにしてます。

JiggaDigga on April 7, 2006 12:39 AM

Great reading, keep up the great posts.
Peace, JiggaDigga

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