Fall 2005 Classes

果たして需要があるかわからないけど,もしかしたら似た分野で留学を考えてる人がいるかもしれないし,自分で振り返る意味も込めて,参考までに今セメスター取った授業を簡単に紹介します.わからない方は最後の段落だけ読んで下さい.

Linear Systems (線形システム)は現代制御理論の一つで,状態空間表現とか可制御性・可観測性など,学部で制御の基礎を学んでいれば当然知っているようなことがことが中心だった.そしてそれらは prerequisite と呼ばれ,既に履修していることが条件とされている.だからあまり目新しいことは学んでいないけど,特に中間試験以降はこれまでは当然のように使ってきた定理の証明中心になり,より本質的な議論がされた.例えば,すべての固有値が負だとなぜシステムが asymptotically stable (漸近安定)になるのかを授業でやった上で,では marginally stable (漸近安定ではなく普通の安定)の必要十分条件は何かとか,controllability (可制御性)について学んだ後,output controllability (出力可制御性?)の必要条件は何かとか.こんな感じの宿題が毎週だいたい4~5問.担当教授の採点は厳しいことで有名で,学部生には加点方式,院生には減点方式を使っているそうだ.というのは,学部生には間違いを恐れずにたくさん書いて欲しいから加点方式,院生は論文を書いて査読されるときが減点方式なので,それらを使い分けてるとのこと.大問1問の配点が1~3点,一つの宿題で6~9点程度なので,ちょっとミスするとあっという間に持ち点がなくなる.でも授業は非常に明確でわかりやすかった.

もう一つ取った科目は Adaptive Systems (適応システム).適応制御は,状態空間表現されたときのパラメータ推定などに用いられる.例えば同じラボの友人がやっているのは,遠隔手術支援ロボットを使ったとき,対象物(臓器など)のパラメータ推定を行う研究.一般的に対象は慣性+粘性+弾性(つまり,物の重さ+粘りっけ+ばねっけ)で構成されることが多いので,その各パラメータを素早く正確に推定して対象物のモデル(つまり臓器モデル)を作るのが彼の研究目標.適応システムの授業では,線形・非線形システムの復習から始まって,基本的なパラメータ推定法,適応オブザーバとかロボットマニピュレータアームの軌道追従制御などを学んだ.軌道追従制御に関しては,原論文を読んだり.宿題はほぼ毎週,理論問題(Problem Set)とそれに関連した MATLAB のシミュレーション(Lab)のセット.ボリュームがあって結構大変だったけど,理論的に数式で解いたことをシミュレーションで確認するので,非常に良い演習だったと思う.一例として,直列型二重倒立振子を制御するための目標軌道が与えられていて,それを制御するのに,Computed Torque と Sliding Mode を制御則として使ったとき,それぞれ2質点の重さを推定する問題,とか.結構みんなシミュレーションでてこずったのがリアプノフ関数のグラフ.ある学生は,「私のリアプノフ関数は非常に良好である,増加している一部分を除いては」なんて答えたそうだ(リアプノフ関数は単調減少関数).ただ,残念ながら期末試験は意味があったとは思えなかったけど.

と,こんな感じです.結構な時間を授業に費やすので,やっぱり最初の大学院1~2年目は日本の院生の方がかなり研究に時間を割けると思う.ちなみに写真は(先の論文で少し水増ししてるけど)提出した宿題の量.計算用紙は両科目合わせて70枚ノートを2冊強.大学浪人時代の方がもっと書き殴ってたかもしれないけど,まぁ質と量は正比例ではないので.

TrackBacks (0) Comments (0)

0 TrackBacks

Listed below are links to blogs that reference this entry: Fall 2005 Classes.

TrackBack URL for this entry: http://www.thepath.jp/cgi-bin/mt/mt-tb.cgi/140

Leave a comment