3-Year PhD Course at Tokyo Tech

知人のブログで知ったけど、東工大が博士一貫コース(仮称)を設置するそうだ。肝心の東工大ウェブサイトからは正式発表が見つからず、日経新聞の短い記事しかないので詳しくはわからないけど、学部卒から博士号取得までに要する期間をこれまでの5年から3年に短縮し、博士号取得者の就職難解決の狙いがあるとのこと。以前、友人から一貫コースの噂は聞いていた。実際、2004年12月にも発表している。ただし1年前の発表では電気系専攻で4年間と言っているので、今回の発表と同主旨のものかはわからない。

確かに25歳で博士号を持っていたら年齢的に有利だろう。最初は企業も喜んで採るかもしれない。でもこれまで5(+α)年要していたのに、たったの3年間で果たしてこれまでと同水準の博士を輩出できるのか非常に疑問である。そして博士号取得者に求められるのは、専門分野の能力はもちろんのこと、既存の問題に対する解決法を自ら考え出す力、物事に対する柔軟な発想、そしてコミュニケーション能力だということを大学側は理解しているのだろうか?『最短で』3年とかなら話はわかる(それでも学内進学が前提だと思うけど)。でも、短期卒業の代わりに博士号取得者の質を下げてしまったら本末転倒だ。東工大のみならず日本の大学院がするべきなのは、3年とか5年とか決まりきった修業年限で卒業判定するのではなく、一定のルールは設けつつも柔軟に対応することだと思う。普段は大嫌いで見向きもしない 2ch で、自分と同意見の人が多くてびっくりした。

4年で博士号取得は日本でもアメリカでも聞いたことがあるけど、学部卒業後3年で取ったというのは自分は聞いたことがない。アメリカの場合、大学や大学院までは飛び級で進むけど、大学院ではそれなりの年数を費やして博士論文の質にこだわる、という印象を自分は持っている。

P.S. 日本のトップの大学院では論文の本数が条件というのも一応知っています。余計、3年はきつそうだけど。

● 関連
博士号取得を目指す人々 ← 確かにアカデミックポストに関しても通用するんでしょうか?

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私の知っている中での最短は,産総研の柴田さん(アザラシロボットParoの方)が,
(うちの先生曰く)工学系で日本最短,学部卒業後3年で博士号を取得していらっしゃいます.
http://staff.aist.go.jp/shibata-takanori/

> 3年とか5年とか決まりきった修業年限で卒業判定するのではなく、一定のルールは設けつつも柔軟に対応すること

私もそう思います,もちろん分野によって論文の出やすさとか色々あるとは思いますが,
そういう立場で博士の質を保証しないと,結局「ドクターって使えない」って言われかねませんしね(^^;.
アメリカみたいに義務教育中でも飛び級して,最後のドクターのところはきっちりやる,というのは
それだけ社会がドクターに対して求めるものが高いからなんでしょうね.
その辺は日本はまだまだだけど,就職のために短期にするって言うのは本末転倒な気がします.

> 日本のトップの大学院では論文の本数が条件というのも一応知っています。

それもアドバイザによって微妙だったりします(^^;.あと,最近よく聞くのが,修士出てすぐ助手になったりした方が,
論文博士の廃止の流れで焦って,1年間くらい助手を休んで博士課程に入学して,短期で取っちゃうってパターン.
なんか,自分のときに厳しくなるのはちょっと嫌ですが,きちんとするところはきちんとして欲しいなぁ・・・.

ぼくの出身大学では学部3年生から修士に飛び級ができて、最短3年でドクターを取れるみたいですが、結局ほとんどの人が、飛び級も博士課程進学もせずに、修士を出てから就職しているようです。また、博士取得にもほどんどの人が5年を費やしています。

ドクターが就職難なのは、質が落ちてきているからという話も聞いたことがあります。ぼくもこれで就職しやすくなるとは一概に思えないです。

 自分もみなさんと同じ意見ですね。“博士号を取るだけ”が目的なら話は別ですが質の高い論文を出し研究者としてのちゃんとした教育が3年間でできるかは少し疑問が残ります。3年間と限られた中で結果を残す必要があるのでそれなりにプレッシャーもあるかもしれませんが、その分5年間だらだらやらなくなる分効果はあるのかもしれません。

 逆に社会人で経験やそれなりに結果を残している人にとっては有効なシステムかもしれませんね。社会で実践した人にとっては博士号取得のためのクラスワークなどはちょっと退屈に感じるかもしれないのでそういった意味では3年はいい期間かもしれません。ただ、日本の場合ほとんどが学部を卒業してそのまま大学院に進むパターンなのでこのシステムがフィットするかは別なような気がします。なので3年間で卒業できるだけの知識と経験、社会に通じる実践力、これがある人はすぐにでも博士号を上げられるようなシステムを設けとくだけでいい気がしますが。。。tyamaさんと同様の意見ですね。

> baby touch さん
情報ありがとうございます!毎日新聞によると文科省の大学院設置基準上で3年となってるそうなので、やっぱり3年で卒業する方はいらっしゃるんですね。阪大でも3年で卒業した方がいると shima さんからも聞きました。

そういえば論博制度廃止の理由として『学位の国際的な通用性、信頼性の向上を図る観点』を挙げていたはずなんですが、今回の3年一貫制度は矛盾してる気がするんですが。。。

> robo さん
自分の質に関して一番不安がありますが(苦笑)、ある程度満足できるまで高められればと思います。

あと去年のニュースですが、毎日コミュニケーションズからこんな調査結果が出ています。この文章から察するに、博士を出てもいわゆる『新人研修』を受けるんですかね?大学の友人たちは修士を出て就職したのですが、みんな研修を受けたと言っていました。

> YUYA さん
そうそう、僕も学位を取るだけが目的になっているように感じました。学部卒の社会人が数年の経験を積んで戻ってくる、という状況はあまり考えていませんでした(ってまさにアメリカですよね)。確かにそういう状況なら3年で卒業もいいかもしれませんが、専門的な分野を知っているからこそ大学院でまた幅広い知識を学んでもよいのでは、とも思います。

ちなみに同期でまさにそんな経歴の友人がいますが、彼女のアドバイザーは、工学系では珍しく6~7年かけて卒業させる方針だそうです。。。

TBありがとうございます!
やはり否定的な意見が多いようですね。
私の身近なところでは、かつて同じ研究棟にいた人でD2で博士を取った人がいましたが、その人はNature1報+他2報の論文があって、東京大学総長賞ももらっていました。そういう人でも4年は研究生活を行っていたわけですから、3年となると短すぎな気がします。

> あらしさん
バイオ系は詳しくわかりませんが、D3 の業績であったとしても凄いですよね。あくまでこういう方たちは例外であって、一大学で100名を超える数を3年間で送り出そうとするのは、やっぱり現実的じゃないと思います。

FYI:筑波大、最短1年で博士課程修了・新プログラム導入
http://www.nikkei.co.jp/news/retto/20060622c3b2204622.html

情報ありがと!各学校が特色を出したり、社会人用の門戸を広げる試みはいいと思うんだけど、なんだか論博代替案を用意してるだけにも見えるんだけど。。

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