新進アメリカ人映画監督が作る日本食

今度引っ越す(というかもう昨日引っ越した)家のオーナーは、同期入学の同じ専攻のアメリカ人S。もちろんローンを組んで買ったみたいだけど、大学院生が家を買うなんて日本じゃ考えられない。さて、彼女は時々教会に行くそうで、教会は地域のちょっとした出会いの場になってるそうだ。というのは、いくつかのグループごとにわかれて、そのグループのメンバーを夕食に招くイベントがあるとのこと。今週水曜日がSの誕生日だったため、彼女はインナーハーバー近くの一等地にある家に誕生日ディナーに招かれた。その招待者の息子が日本に6年ほど住んでいるとのことで、Sはそれなら日本人を連れて行く、と自分を誘ってくれた。その家は rowhouse で一戸建てではないのだけど、至るところに高価な絵画や貴金属が飾られていて、映画に出てきそうな感じのとても豪華な家だった。

日本に6年住んでいる息子はイアンといって、ドキュメンタリー映画の監督をしているとのこと。最初3年間は栃木にいて、いまは東京港区の白金高輪に住んでいる。ボルチモアに来る前に自分が住んでたのは港区芝浦で、白金高輪までは自転車で10分程度。世間は狭い。いま、彼は3年ぶりにアメリカに帰ってきているそうだ。かなり日本が気に入ったようで、この日は日本食のオンパレード。てっきりアメリカの伝統的な夕食かと思っていたのでびっくりした。

まず最初に出てきたのはキリン一番搾り、つまみは枝豆・柿ピー・わさび豆。その後、何種類かの寿司(こっちでは巻き物も寿司と呼ぶ)が振舞われ、その後に本格的なディナーのスタート。冷やし中華、冷やしトマトサラダ、ゴボウの漬物、揚げだし豆腐、油揚げにしょうが&大根おろしをのせたもの、風呂吹き大根、そしてみそ汁。最後のデザートには芋ようかんとキットカット宇治抹茶味、そして玄米緑茶。メインディナーはすべて彼の手作りで、漬物以外は3時間弱で7人分作ったとのこと。もう一組招かれたカップルがベジタリアンだったため、それを考慮してこのメニューになったんだそうだ(寿司だけベジタリアン用、つまり魚なしの巻き物、を用意していた)。イアンはベジタリアンじゃないのにこんなメニューが簡単に作れてしまう、もう凄いの一言しか出てこない。こういうのを目の当たりにすると、25年も日本に住んでて揚げ出し豆腐も風呂吹き大根も作ったことがない自分がかなり恥ずかしくなってくる。。

以下、順不同に彼が言っていた日本・日本人に対する面白かった発言:


  • このディナー中、イアンは大したものじゃないけど召し上がってくださいと言って料理を提供し、みんながこの料理はすごい!と褒めると、決まって No, No と答えた。日本人は褒められても謙遜しなければならないからとのこと。
  • 栃木の居酒屋では「ねーちゃん、生!」で通じたのに、東京で同じセリフを言ったら怪訝な顔をされた。東京では「すみません、生ビールください」と丁寧に頼まなければいけない。 ← もちろん店によると思うけど。
  • 日本では酒の席でのことは大抵許される。上司に文句を言っても大丈夫(?)。友人宅に招かれて酔っても、ソファに寝ていいよと、とても親切に介抱してくれる(アメリカじゃ招かれて酔っ払うのはあり得ない)。
  • ○○は体にいいよ、健康にいいから食べてごらん、とよく勧められたらしい。体に良い食品をみんなよく知ってるけど、どこにどういう風にいいのか訊いてみると実はみんなあまり知らない。
  • 特に若い女の子は、医者や専門家が言うことより雑誌の占いとかの方を信じる。



  • ちなみに、イアンの作った(確か)イギリス南西部にある街に住むドラッグ中毒の女性とその息子を描いたドキュメンタリー映画 the ballad of vicki and jakeVisions du Réel, Festival International de Cinéma というコンテストで賞を取ったそうだ。映画を買ってくれる会社を探すのも重要だけど、次回作の出資者を探す方がもっと重要らしい。

    ● 関連
    イアンのブログ: documenting ian

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    2 Comments

    日本語の堪能な白人の友達が「つまらないものですが・・・」と言っておみやげをくれたのが、何だかとても違和感がありました。謙遜ってのはやっぱりアメリカ人にはちょっと変ですね。

    見た目からくる先入観の問題なんでしょうかね。そうだとすれば、日本に長年住んでる外国人は、有名にならない限りいつまで経っても外国人としてしか扱ってもらえない、ってのがわかる気がします。

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