World Haptics 2007 (後)

Prof. Ishii demonstrating Topobo

今回の学会で一番面白かったのは、MIT・メディアラボの石井教授の特別講演。1時間じゃまったく収まりきらないくらい数々のプロジェクトが紹介されたけど、それでも紹介されたのは一部に過ぎないそうだ。一番最後に、ハプティクス・コミュニティへのメッセージとして、バーチャル・リアリティー(仮想現実)の世界から飛び出して、実際の物体を介した研究への転換を提案していた。確かにそれができれば、大きなブレイク・スルーになりそう。でも、やっぱり難しそうだけど。

今回の学会でちょっと気になったのは、psychophysics の研究が多過ぎたこと。psychophysics とは、簡単に言えば、人間を被験者にしてある作業(=実験)を行わせ、それを統計的に分析する研究分野のこと。ハプティクスとは触覚・力覚を指すため、よく視覚と比較して語られることが多い。よくあるのが、ある実験を (1) 視覚のみ、(2) 力覚のみ、(3) 視覚+力覚で行った際のパフォーマンスを比較する、というタイプ。視覚・力覚の役割を調べるためにはこういう実験は重要だし、こういう実験を行ったときの人間の主観(操作しやすい・操作しづらいなど)が大事なのもよくわかる。何かを商品化するときには、実際に扱った人の感想が一番重要だろうし。でもそこに辿り着くまでに、同じ手法を用いるのもどうかと思う。なんだかあまりにも『そんなの当然じゃん』というのが多い気がする。実は今回自分が発表したのもこの分野に含まれるもので、この手の安易な研究にはかなり辟易して来た。今回発表したテーマも最初は面白いかなと思っていたけど、あとから少し考えてみたら至極当然な結果だった。別に psychophysics が悪いと言ってる訳ではない。ただ、同じような手法の研究がこのまま増え続けたら、なかなかブレイク・スルーは生まれないと思う。

How to use chopsticks

Lucky Cat and Verners


さて、学会以外で面白かったのは、日本が初めての外国人友達が多かったこと。今回、同じ学校からは8人(配偶者を含めると10人も!)が日本へ行き、自分とアドバイザー以外は日本が初めてだった。自分にとっては当たり前でも、彼らには新鮮なことばかり。例えば、
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・ウォシュレットにびっくりしてよけたら、壁が水浸しになった。
・お決まりで、ビデも試しちゃった男友達(でも bidet がウォシュレットって意味らしい)。
・ホテルの宿泊プランが朝食付きで、和食を選択したら謎のネバネバする臭いものが出てきた(もちろん納豆のこと)。
・英語を話せる店員がいないおでん屋に入って、ベジタリアンがいたから注文時に大変だったこと。
・お好み焼きを注文したら、何かウヨウヨ動いてるものが乗ってた(この話は以前聞いたことがある。鰹節です)。
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などなど。築地の場内市場に行って朝から寿司を食べたけど、中西部出身のアメリカ人夫婦はやっぱりあまり好きにはなれなかったみたい。カナダ国籍を持ってるインド人は、納豆以外は全部食べられたのにはびっくり(梅干しもウニも食べた)。あと、釜飯・焼き鳥はかなり好評だった(鳥ぎんには英語メニューもある)。まぁ、みんなに楽しんでもらえたみたいで良かった。

今回の滞在でもう一つ嬉しかったのが、母校・東工大制御の謝恩会(南棟祭)に出席できたこと。東工大制御では、卒業式の夜に学科の建物内で研究室ごとに出店(?)をする。焼き肉とかカレーとかパスタに始まり、おでんやたこ焼き、バーをやる研究室なんかもある。基本的に関係者のみなので、食べ物を買うという概念は存在せず、OB/OGの寄付や教授・学生によって賄われる(寄付忘れて帰ってきてごめんなさい。。)。外に出てどこかのホテルでやるより、こういう方がアットホームな雰囲気なので、普段はあまり交流がなくても、こういう機会に他の研究室にも気軽に顔を出せる。卒業する学生は先生へのお礼まわりや、久しぶりに訪ねた卒業生も色々な先生方と話せる機会があるし。

学部時代の頃ほとんど勉強をしなかったので、東工大を卒業したときに自分のことを認識していた先生は多分ほとんどいなかったと思う。でも、今回南棟祭に参加させて頂いて、昔の研究室仲間に暖かく迎え入れてもらったり、以前の指導教官に色々な先生方を紹介して頂けたり、ちょうどこの時期に帰ることができて本当によかった。まだ何も成し遂げてないけど、何か将来的に恩返しができればと思う。


● 今回撮った&もらった写真
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