ミュンヘン研究留学(1)〜背景〜

せっかく貴重な体験をしたのだから書こう書こうと思いつつ、気が付けばもうドイツから帰国して早2ヶ月が経過。。こういうのは勢いで書かないとずっと書かなそうなので、遅ればせながら重い腰を上げて書いてみようと思う。

The Last Supper with Darius in Munich
今回の研究留学は自分の指導教官にサポートしてもらったわけではなく、この研究留学を率いた H 教授が NSF IREE award 2006 という研究資金を手にしたことから始まった。アメリカで科学・工学に携わっている人なら NSF という団体は知っていると思う。アメリカ国立科学財団(National Science Foundation)の略称で、アメリカの科学技術促進を目的に設立された連邦機関(もう少し詳しくは、ウィキペディアのアメリカ国立科学財団をどうぞ)。これまでにも何度か書いたことがあるけど(例えばこの日記)、いま現在自分が所属している研究室とは別に、CISST-ERC という大きな研究グループがある。ロボットや画像処理を用いて医療の向上に役立てることが主目的。ERC は NSF からの大型研究資金を基に1998年に設立され、ジョンズ・ホプキンス大学を中心に、ジョンズ・ホプキンス病院、MIT、そしてカーネギーメロン大学などと共同研究を重ね、来年に10年間の務めを終える(来年からはまた違う大型プログラムが始まるらしい)。この ERC への補助資金という形で、今回の NSF IREE award が与えられた。これは、NSF から援助を受けている研究グループを対象とした補助研究費で、若い研究者を積極的に海外へ派遣し、共同研究や文化交流を促進し、アメリカの科学・工学の発展に役立てるというもの。2006年度から初めてスタートされたので、自分たちは1期生ということになる。ちなみに IREE とは International Research And Education In Engineering の略称。工学を対象とした国際研究・教育の支援機関みたいなところだと思う。

なぜこの研究留学資金が設立されたかと言うと、アメリカには多くの国から留学生が集まってくる。その一方、アメリカ国外へ出る人は非常に少ない。アメリカの大学に在籍していて留学する学生は毎年1%程度だそうだ。特に工学は、農業専攻に次いで2番目に低い割合とのこと。そこで NSF が積極的にアメリカの学生を海外へ派遣することを始めた。ここまで読むと、なんだかアメリカ人を対象にしたプログラムに聞こえる。幸いなことに去年は応募する教授(PI)がアメリカ市民、もしくは永住権保持者なら問題なかった。だから、学生の国籍は問われず、アメリカの大学に在籍して、NSF から研究資金をもらっていることが条件。ところが2007年度から規約が変わったみたいで、研究留学する者はアメリカ市民、もしくは永住権保持者となった。だから今年度以降だったら自分には適用外だったので、とっても幸運だった。

そんなわけで、ホプキンスからは7人が行くことになった。資金的には6人分だったけど、最後の一人は訪問先から半分資金提供を援助してもらう形で受け入れてもらった。自分の所属する研究室からは1名と言われていて、第一番手は他の人だったけど、彼が共同研究者が受け入れ先で見つからないという理由からキャンセルし、2月下旬に急遽自分へチャンスが回ってきた。研究留学先は、主導したH教授の元で以前ポスドクをしていたダリウスが現在教授を務めているミュンヘン工科大学。行く前はほとんど知らなかったけど、ヨーロッパでも指折りの工科系大学で、昨年ドイツでは、ミュンヘン大学(LMU)とカールスルーエ大学と共にエリート大学として認定された。

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