February 2008 Archives

既に出遅れてしまって、この件に関して書かれてる記事が多いけど。。まずは能書きよりも、こちらの映像からご覧下さい。

これは以前にも少し触れた、DARPA(アメリカ国防総省の防衛高等研究計画局)が出資するロボット義腕開発プロジェクトの研究成果の一つ。下で紹介している記事によれば、大きなチームが2つあって、ケーメン氏の DEKA という会社が2年間のプロジェクト、ジョンズ・ホプキンスの応用物理研究所 (APL: Applied Physics Laboratory) は4年間のプロジェクトとして発足したそうだ。お互いに別々のアプローチを取っており、DEKA が2年間のプロジェクトを終えて発表したのが、今回掲載されている通称『ルークアーム』。おおまかな解説に関しては、こちらを参考にして下さい。

- Engadget Japanese:セグウェイの発明家が開発するロボット義手「ルークアーム」
- Robot.Mとの優雅な平日:ロボットニュース【セグウェイの発明家が開発するロボット義手「ルークアーム」】

より詳しく知りたい方は、ieee spectrum の記事 "Dean Kamen's "Luke Arm" Prosthesis Readies for Clinical Trials" を読んでみて下さい。


ケーメン氏のグループは、以前触れたような頭にチップを埋め込む方法ではなく、胸筋からの筋電位を測定している。頭にチップを埋め込むよりは安全そうに見えるけど、それでも今回の手法もやっぱり手術が必要。人間の神経網は上部脊髄から肩を通り越えて、脇の下、そして腕へと繋がっているそうだ。今回の被験者は脇の下の神経が胸筋と繋がるように手術したとのこと。だから、脳からの信号を直接読み取る代わりに、胸筋からの微量な電位を測定して、腕がどんな動きをしたいのかの命令をロボット義腕に送っている。ちなみにこの執刀医が所属する Rehabilitation Institute of Chicago はおそらく全米一の規模のリハビリセンターで、リハビリ関連のロボット研究が、シカゴにあるノースウェスタン大学などで盛んに行われている。

動画から、脳からの信号を出力する方はかなりよくできているのがわかる。では、脳に戻ってくる信号の方はどうだろうか。ロボットハンドで難しいのは、固いものでも柔らかいものでも両方掴めること。そのためには掴んでいるモノからの力のフィードバック、つまり、いま自分がどれくらいの力で物体を握っているのかを知る必要がある。これが脳に戻ってくる信号という意味。これが十分でないと、最初にコップを掴んで、次にブドウの一粒を掴む、といったような動作は難しい。動画でも説明されているけど、この研究チームがとった手法は、直接力のフィードバックをするわけではなく、代替え手段によるフィードバック。小さな振動センサを腹部に取り付け、出力している力の大きさによって振動の周期を変えている。だから、実際に重い・軽い、固い・柔らかいといった情報までは正確にはフィードバックされていない。でも本物の感覚フィードバックの代わりに、違った形でのフィードバックを使うというのはよくあることで、例えば自分の研究グループだと、実際に遠隔操作手術ロボットに力のフィードバックを実装する代わりに、力情報をディスプレイに表示して視覚情報として伝達する方法が試されている(力フィードバックを実装するとロボットの安定性が問題になるけど、視覚情報を追加するのはシステムの安定性には影響ない)。

手触り感の実装や空間認知能力(例えば両手を背中の裏に回しても、どこに自分の手があるかが大雑把にわかるため、手を繋ぐことができる)のフィードバックなど、ハプティクスと脳神経科学間での問題が山積してるように見える。でも正直なところ、たったの2年間でこんな高性能なロボット義腕ができるとは思わなかったので、APL を中心としたグループがあと2年後までにどんな結果を出すのか楽しみだ。

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ボルチモアにはねずみが多い。以前住んでたアパートではねずみの害に悩まされ、結局9ヶ月で20匹弱も捕獲した。ある日寝室のベッドの近くに糞が落ちているのを発見して、引っ越しを決意した。だから、今の家のオーナーのSには「ねずみとゴキブリは出る?」としつこく訊いた(1番最初のアパートはゴキブリが多かった)。

この家ではゴキブリはほとんど見掛けない。1年半過ごして、未だに1匹、しかもなぜか死骸が玄関ホールにひっくり返っていたのを見たくらい。そして比較的ねずみも少なかった。そう、最近かなり増えてきた。昨年末、ハウスメイトのRは、ガスコンロの上で複数のねずみがお喋りしてるのを目撃したそうだ。誰が躾けたか知らないけど、ガスコンロの上に置いてあるフライパンの中に綺麗に糞が並んでいることもある。

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さすがに最近は気分を害してきたので、色々と試した。でもなかなか被害は収まらない。オーナーSの指導教官宅では猫を飼っていて、3匹の小猫がいるとのこと。ここは古典的に、ねずみ退治には猫で攻めてみることにした。その先生の奥さんもだいぶ乗り気で、仕留めたらぜひ写真を送ってくれとのこと。とりあえず4日間のレンタル。果たして効果はあるのかどうか。。

P.S. ちなみにキャットフードはSの指導教官宅から提供されてるけど、Sに内緒で煮干しを与えてみた。3匹のうちの1匹は結構煮干しが気に入ったみたい。

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ワシントンDCにあるケネディーセンターにて、日本の芸術・文化を紹介する JAPAN! culture + hyperculture というフェスティバルが2週間(2/5-17まで)開催されている。アメリカにおける日本文化紹介イベントとしては過去最大規模だそうで、総勢500名近くの出演者やアーティストが日本から訪れるとのこと。蜷川幸雄、宮本亜門、野村万作・萬斎、山海塾、五嶋みどり、夏木マリ、笠井叡、安藤忠雄、草間弥生といった超豪華メンバーの他に、ホンダの ASIMO やトヨタのヒューマノイドロボット、博多や北海道の民俗音楽演奏など、本当に幅広く行われている。驚くのは入場料や多くの講演・公演が無料、有料なのは一部の演劇やコンサートのみ。その有料イベントも、日本では考えられないくらい安い値段でチケットが提供されている。そのイベントに土曜日に友人を誘って行ってきた。からくり人形のレクチャー、蜷川幸雄演出の身毒丸、その他に多くの展示物やホンダ・アシモのデモも見て、非常に楽しめた。

(ファンの人には当たり前の話らしいけど)身毒丸は藤原竜也のデビュー作となった舞台作品だそうで、1997年にロンドンで公演され、当時15歳の藤原竜也の演技がかなり高い評価を受けたそうだ。一番最初に英語であらすじのナレーションがあっただけで、劇はすべて日本語。一緒に行った友達はアメリカ人だったのでどこまで理解できたかわからないけど、でも舞台後は多くの人がスタンディング・オベーションだった。ちなみにこのイベント自体の来訪者は、日本人も散見したけど、大多数がアメリカ人。身毒丸の観客もほとんどが日本語がわからない人だと思う。だから言葉がわからなくても通じるものはあるんだと思う。とは言っても、やっぱり言葉がわかるに越したことはないと思うけど。

ホンダ・アシモはやっぱりアメリカでもかなり有名だった。夕方4時半開始のデモのために4時にステージに行ったけど、既に結構な数が陣取っていた。そしてどんどん観客は増えて、でも開始の頃には相当数が集まっていたと思う。アシモを直接見たのは4〜5年前で、当時と比べるとだいぶスリムになったなという印象を受けた。デモは前進・後進、簡単なダンス、ランニング、そして階段の昇降など。

昔、日本は文化への補助金が少なくてチケットが高いという話を聞いたことがあったけど、アメリカで暮らしてみて本当にそう思う。今回のは特別イベントでかなりのスポンサーがついていると思うけど、それにしても本当に公演チケットが安い。身毒丸のチケットは$15〜35、宮本亜門のミュージカルが全席$18、そして万作の会は$40など、日本じゃ考えられない値段。あと今回のイベントに関わらず、このケネディーセンターのミレニアム・ステージでの公演・演奏は無料みたいで、毎日夕方6時からライブ中継をしていたり、過去のアーカイブにもアクセスでき、RealPlayer がインストールされていればすべて無料で視聴できる。下記参照。

● 参考
- ケネディーセンターの国際プログラム戦略
- Millennium Stage Broadcast Archive
- Wikipedia:身毒丸

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アメリカの大学・大学院に留学している日本人で、ボストン・キャリアフォーラムを知らない人はほとんどいないと思う。それくらい有名な、ディスコインターナショナルという会社が開催する、全米一の日本語・英語が話せるバイリンガルのための就職フェア。そのディスコ社から、就職活動を開始しようと思っている日英バイリンガル(とてもおこがましくて、自分がバイリンガルだとは言えないけど)のための出張セミナーがホプキンスのキャンパスで開かれた。就職活動を開始するわけでもなく、ましてや卒業が見えたわけでもないけど、そうある機会でもないと思って参加してみた。

昨年卒業した ny さんから、「いつになったら卒業できるかと考えてるようじゃダメだよ、いつまでに卒業するって自分で決めないと」とのアドバイスを頂いて、いま自分の中では2年後の冬に卒業を目標にしている。もともとアメリカに来る以前から、卒業後は企業へ就職という方向を考えていて、いまも大学に残る道はほとんど考えていない。となると、ではどこで?という質問が次に来る。いまのところはアメリカもしくはどこか日本国外で考えている。実際に動き出してみないとわからないと思うけど、やっぱり日本企業の博士卒の受け入れは充実していないと思うし、恐らく卒業後すぐに帰国するよりは、海外で経験を積んでから逆輸入のような形で日本へ戻った方が出世も早いし貢献度も高いのではと思う。そういう意味では、今回のセミナーはむしろ日本企業への就職を主な対象としているので、自分の希望とは合致しているわけではなかった。でも、わざわざ最初から選択肢を狭めるのはよくないし、就職活動に関して聞くには良い機会だし、実際に参加してみて良い話が聞けた。

セミナーの中でも触れられていたけど、やっぱり長期・中期・短期的なビジョンが必要だと改めて感じさせられた。そう言えば留学前に旧プリンストン・レビューで何度も聞いたことは、留学する前に留学後のキャリアプランをしっかり考えておくことだった。まず長期的な目標を考える。それを達成するためにはどんなことが必要かを考え細分化していくことで、長期から中期、そして短期的なプランに落とし込んでいく。まぁ当たり前なんだろうけど、当たり前のことを当たり前にやれてきていなかったから、色々と遠回りしてきたわけで。。

自分の場合、まず考えることは2つ。一つは博士論文を書き上げるためにはどんなシナリオが必要か、もう一つは5年後・10年後にどんな仕事に就いていたいか。博士論文に関してやるべきことは最近結構ブレインストーミングできているから、あとは実際にそれに向かって進むだけだと思う。と言っても、それが難しいんだろうけど。もう一方に関しては、医療ロボットに的を絞るか、ハプティクス関連にするか、もしくはもっと広い意味でロボット業界として考えていくか。もっと具体的に自分のやりたいことを考え直し、そのためにはいま何を身に付ける必要があるか、何をしてゆくべきか、毎日ちょっとずつでも考えていきたい。

最後に、ディスコ社の方から教えて頂いた、自己分析や就職情報のために役立つウェブサイト一覧。
- 日経ビジネスオンライン
- 日経ビジネス Associe Online
- adp ビジネスオンライン:経済コラムマガジン
- みんなの就職活動日記
- (海外留学生のための)和文履歴書フォーム
- CFN | Press バックナンバー

P.S. ちなみに2/29〜3/1にニューヨークキャリアフォーラムが開催され、2/10までに申し込むと色々な特典があるそうです。

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本日2/3は節分の日。去年は我が家で豆まきをやって、初めて恵方巻きの存在を知った。そこで今年は S さんからの提案で、恵方巻きを食べる会にした。今回はアメフトのスーパーボウルと同じ日に重なっていて、それとはずらして昼に食べちゃったけど、本当は節分の夜に食べないといけないみたい。しかも後から気付いたけど、目をつぶって食べるらしい。。

日本人友達の他に、同じ学科の友人や家主の S も誘った。オリジナルの七種類の具は入手が難しいので、みんなに好きな具を持参してもらい、それぞれ思い思いに自分の恵方巻きを作る。そして、今回の恵方(南南東)を向いて無言で食べた。アメリカに来てから手巻き寿司(今回は太巻き)を初めてやったけど、自分で選べるからベジタリアンがいても大丈夫だし、かなり手軽にできそう。ただ、海苔自体がダメって人が少なくないから、それが難しいのかもしれないけど。

● 参考
All About:恵方巻(丸かぶり寿司)の謎を解明

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