July 2009 Archives

だいぶ前の話だけど、5月に神戸で開かれた国際学会のため、日本へ行く計画を練っていた。学会などに参加するときは、指導教官から旅費や諸経費を出してもらえるので、実質上、日本行きの航空券をタダでもらって、実家に帰ることができる。自分の指導教官は、特に留学生に対して、学会+実家への帰省セットを奨励していて、逆にそれが論文を書くモチベーションにも繋がる。

さて、計画を練り始めたとき、5年間有効だった学生ビザが今年の5月いっぱいで失効することに気付いた。ビザは、その国への入国時に必要な査証。つまり、入国時に有効であれば、原則的に問題はない。裏を返せば、滞在中に失効しても、その国から出国して再度入国しようとしない限り、問題はない。一方、パスポートやI-20といった書類は、合法的な入国&滞在を示すもの。アメリカに滞在中は、常に両方有効じゃないと違法になる。パスポートは日本政府が発行し、アメリカへのビザはアメリカ大使館で発行され、I-20は学校が発行してくれる。つまり、アメリカ国内にアメリカ大使館はないので、ビザが切れたら、アメリカ国外で更新する必要がある。

前置きが長くなったけど、要するに今回神戸の学会に参加する際、ついでにビザも更新してしまおう、という計画にした。懸念事項は、
(1) ビザの再発行にどれくらいの時間が掛かるか?
(2) ビザが失効する前に、再申請は可能なのか?
の2点。1番目に関しては、日本に帰国した直後にアメリカ大使館へ行ってビザ再申請し、さらに時間の余裕をみて1ヶ月間の滞在にした。2番目に関しては、調べてもわからなかったので、大学の留学生課に行って専門家に問い合わせてみた。返事は、「正直なところ、どちらとも言えない」とのこと。彼曰く、失効前に再申請して、断られた例もあるし、大丈夫だった例もある。国によって違うのかもしれないし、面接官によって違うのかもしれない。だから、確信をもって Yes とは言えない。ただ、今回の自分の場合(5月末に失効、5月中旬に再申請)、明らかにすぐビザが切れるのはわかっているから、おそらく大丈夫なのでは、と一応非公式のアドバイスをもらった。

これが、例えば失効数ヶ月前の場合はどうなるのか、と言ったようなことはまったくわからない。日本にあるアメリカ大使館にメールや電話(どちらも有料!)で問い合わせても、彼らは一般的な質問に対してのみしか答えられず、ビザの発行は申請者ごとにまったく状況が変わる場合もあるので、きっと満足のいく回答は得られないと思う(メールや電話相談だと、あちらはこちらの情報をまったく持っていないので、一般論でしか答えられない)。

一応、どこのアメリカ大使館でも申請可能ということになっているから、例えばカナダやメキシコでも原則的には可能。でも、なぜ日本人なのに、日本じゃなくてカナダやメキシコで申請する必要があるのか、何か言いがかりをつけられて申請を却下なんてされてしまった日には、きっとそれ以降のアメリカ入国時には、毎回個室で色々な質問をされそうな気がする(下手すると入国できない)。なので、ビザの再申請として一番安全なのは、前回と同じ場所で面接をするのが良いらしい。

そんなこんなで、日本に帰国した翌朝、以前ビザを申請した東京のアメリカ大使館で面接をこなした。結局、5年前にビザを申請したとき同様、今回の再発行も3日程度しか掛からなかった。ちなみに、ある日本人の先生に伺ったところ、日本滞在が1週間しかないのに、アメリカ大使館に「あと○日でアメリカに帰っちゃうから、よろしくお願いします」と押し切って、過去2回とも、問題なく2〜3日で発行してもらっているそうだ。まぁ、あまり心臓には良くないのかもしれないけど。グリーンカード(永住権)が手に入れば、こんな面倒もなくて済むんだけど。

参考までに、面接で訊かれたのは、
・ボルチモアは気に入ってるか
・いま大学でどんなことをやってるのか
・(ロボット工学だと答えると)軍事用ロボットの開発に携わっているか
・卒業までにはあとどれくらい掛かりそうか
・卒業後はどんな進路を考えているか&アメリカに残りたいか
のようなことを、だいたい5分くらい喋って終了。基本的には、ビザを再発行しても問題ない人物か、というのを世間話をしながら探る感じだけど、軍事関係に結びつくか、アメリカに残りたいか、というのは、少し注意深くチェックしていると思う。日本人の場合は大丈夫だと思うけど、特定の国から来てる留学生(例えばイランとか)は、軍事応用に発展するかは懸念事項だし、アメリカに残りたいというのも、表立って言わない方が良い(と、かなり曖昧だけど、どこかで読んだ気がする)。というわけで、無難に、日本でもアメリカでもヨーロッパでも職探しをします、と答えた。実際にそうなると思うし。

注意したいのは、卒業まであとどれくらい掛かりそうか?という質問。例えば、あと1年と答えてしまうと、もし卒業後に OPT をしたい場合、OPT 期間終了前に F-1 ビザが失効する可能性が出てくる。特に STEM と呼ばれる科学・工学系分野は、OPT が最長29ヶ月まで可能なので、短いビザが出されてしまうと少し厄介かもしれない。というのは、企業側が就労ビザ(アメリカでは一般的に H1-b ビザ)を申請する場合、結構お金が掛かる。もしそれが OPT だけで通せるとしたら、企業はお金を払わなくて済むので、留学生を雇うハードルが下がる。というわけで、とりあえず「PhD は長いからなぁ・・・」とはぐらかして答えた。結果、また5年間のビザが下りたけど、この質問でビザの有効期間が変わるのかは、ちょっとわからない。

P.S.1 日本にあるアメリカ大使館に質問すると有料だけど、アメリカ国務省のウェブサイトからだと、無料でメール相談ができます。詳しくは、こちらを参照下さい。

P.S.2 特定の条件を満たすビザ更新の場合、面接が免除で、書類郵送のみでできる可能性があるとのことです。詳しくは、各自アメリカ大使館のウェブサイトで調べて下さい。

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注意すべき点としては、「はじめに」の留意点にも書かれていますが、特に第5章で掲載されているエッセイが、実際に入試選考でどれくらいの評価を受けたのかがわからないことです。これは、このウェブサイトでも繰り返し書いていますが、もちろんエッセイは非常に重要な出願書類の一つですが、それでも、エッセイだけで合否が決まるわけではありません。ですので、掲載されているものをテンプレートのように使うのは、あまりお勧めできません。

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