August 2009 Archives

だいぶ一般的に認知されてきたとは言え、まだ聞いたことがない人もいると思う。レーシック(LASIK: Laser in Situ Keratomileusis)という、角膜屈折矯正手術の一種が盛んになってきた。簡単に言えば、レーザーで目の角膜の曲率を変えることで、視力矯正をする手術のこと。

まず最初に、なぜモノが見えにくくなるのかだけど、ボシュロムのウェブサイトに、正視・近視・遠視をわかりやすく説明した図が載っている。

kinen_ani.gif
(ボシュロム|「近視・遠視・乱視・老眼」屈折異常のしくみ


もっと詳しくは、見えにくい理由 近視・遠視・乱視・老眼からどうぞ。

さて、上の図でもわかるように、要するにピントが合っていないからモノがはっきりとは見えない(一眼レフカメラの焦点合わせを手動でするとわかりやすいと思う)。メガネやコンタクトレンズは、その歪みをレンズを装着することで矯正するけど、レーシックは、人間の角膜の厚みを変える(=削る)ことで矯正する、ということ。理屈ではなるほどと納得できるけど、初めて体験した人はどんな思いだったんだろう。。。

前置きが長くなったけど、先日5月の帰国時に、前からやりたいと思っていたレーシック手術を受けてきた。理由はいくつかあるけど、まずは費用面。メガネを中学のときから、コンタクトレンズは高校のときから装着開始。これまでの出費も結構な額だけど、このまま一生使い続けると、やはりかなりの金額になる。一方、レーシックがかなり普及してきて、手術費用が格安になった。そして、ただ単純に、裸眼ですべてが見える生活を再び楽しみたい、という想いが強かった。これは、目が悪い人なら共有できる気持ちだと思う。

手術を受けるためには、まず事前診断をして、十分な角膜の厚みがあることが条件(そうではないと、削れないので)。また、自分が診療したところでは、1週間後検診は必ず来て下さい、とのことだったので、事前検診を含めても最短8日間で大丈夫。でもやはり少し長めに見積もると、通常の10日間程度の一時帰国だと、なかなか難しかった。それがこの前の帰国だと、十分な日数があった。海外在住であっても、一時帰国時に手術を受ける人は、少なくないようだ。

アメリカで手術をするという選択肢もあったけど、費用が格段に違う。こちらでレーシックを受けた友人が数人いるけど、日本円に換算して50〜60万円程度掛かったと、みんな言っていた。レーシックは保険の対象外のため、アメリカで保険なしの手術だから、まぁこの値段になるのは当然かもしれない(日本でも保険は利かないけれど、そもそもの医療費が全然違う)。

自分が通ったのは、最大手の品川近視クリニック。高校後輩の紹介で会員優待制度を使い、さらに平日曜日割と交通費補助制度(海外在住でも出る)を使って、すべて込みで16万3千円しか掛かっていない。もちろん、目に直接レーザーを当てるわけだから、安全性が最優先なのは当然だけど、口コミを調べたところ、安全性に関して問題はなさそうだったので、最終的にここに決めた。立地条件も良かったし。唯一の不満点としては、特に手術日に思ったことだけど、ベルトコンベア式に流されるのは、あまり気分のいいものではない。かなりの患者数を考慮したら、仕方のないことかもしれないけど。

詳しい手術内容や体験談は、探すとたくさん出てくると思う。手術自体は10〜15分程度で終了する。目にレーザーを当てるなんて聞くと、血が流れてきて大変!、なんて想像するかもしれないけど、まったくそんなことはない。ただ一般的に言われてることで、自分には当てはまらなかったのは、手術中はほとんど痛みを感じなかった、という説。他に手術を受けた友人たちはみんな口を揃えてこう言うけど、はっきり言って自分はかなり痛かった。麻酔が掛かってないんじゃないかと思うくらい痛かった。翌日医師に聞いたら、「まぁ、痛みは人それぞれですから」と片付けられてしまった。でも、周りの体験した友人に聞くと、痛いと言ってる人はいない。

肝心の効果に関してだけど、

●事前検診
左:0.03
右:0.03

●翌日検診
左:1.2
右:1.5

●1週間後検診
左:2.0
右:2.0

一般的に、視力が落ち着くまでは、術後3ヶ月程度掛かるそうだ。実際に3ヶ月経ってみて、正確な検査はできないけど、個人的な実感としては、両目ともに1.5程度だと思う。手術直後の2.0の世界は、おそらく小学校低学年以来なので、かなり驚異の世界に思えたけど、日常生活を送る上でなら、1.5もあれば十分だ。

昨年、Surgery for Engineers というクラスを受けたとき、ある医師が言っていた。遠隔医療操作型ロボットの代名詞であるダ・ビンチを含め、いま市場に出回っている医療ロボットは、腕の良い医師ができることを、ただ単に肩代わりしているだけに過ぎない。本当の意味での医療ロボットは、レーシックのように、医師の腕だけではできないものでないと、と。

P.S. もし、品川近視クリニックの紹介制度に興味のある方、遠慮なくご連絡下さい。紹介状を送ってそれを持参すれば、最大5万円の割引になるそうです。

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前回に引き続き、理系大学院留学説明会のご案内を頂いたので、こちらに転載します。なお、前回告知したイベントとこのイベントは、まったく別の企画だと思います(ただし、両方とも参加無料)。

---- 引用開始 ----
■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■
フルブライト・ジャパン アメリカ理科系大学院留学説明会のご案内
■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■

フルブライト・ジャパン(日米教育委員会)は日米両国間の教育・文化・学術交
流の推進を目的とし、日米両国政府が共同運営・管理している公的機関です。

フルブライト・ジャパン 留学情報サービスでは、講師に東京工業大学建築物理
研究センター教授 笠井和彦先生を お迎えして、アメリカ理系大学院への留学
を志す方を対象とした説明会を下記の日程で開催致します。 皆様、ふるってご
参加下さい。

◆ 2009年9月11日(金)15:00-17:00

◆ 会場: 東京アメリカンセンター

◆ 講師: 東京工業大学建築物理研究センター教授 笠井和彦先生

◆ お申し込み:下記サイトよりオンライン登録。
http://www.fulbright.jp/study/event/setsumei_sp.html

お問い合わせ:
★━━--------------------------------
フルブライト・ジャパン(日米教育委員会)
留学情報サービス
http://www.fulbright.jp/study/index.html
ブログ:http://fj-news.net/
電話:03-3580-3231(火・木 13:00-17:00)
資料室開館時間: 月-金 13:00-17:00
休館日:土日、祝祭日、7月4日、12月25日
--------------------------------━━★
---- 引用終了 ----

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理系大学院留学を応援するカガクシャネットのメーリングリストにて、下記のイベント案内が流れてきました。ご本人とは面識がありませんが、この分野では非常に有名な方で、当ウェブサイトからもいくつかリンクを張らせて頂いています。興味のある方は、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。


---- <ここから引用> ----
アメリカ大学院留学説明会

-理系を中心に-


理系を中心に、アメリカ大学院留学の説明会(東京)をします。無料です。制度や基本的な部分は理系でも文系でも変りませんし、日本とアメリカの違いの方が、アメリカ国内での理系と文系の大学院の違いより遥かに大きいので、今回より文系の方々にも参加して頂ける様にしました。但し、20年のアメリカ滞在にも拘らず、学生としても教員としてもadmissions committee(選考委員会)でも、青谷正妥(あおたにまさやす)には理系の経験しか有りませんので、文系に特化した話は、間接経験(=友人の話等)のみに成ります。所謂Graduate Schools(大学院)の説明会であって、Professional Schools(専門職大学院=ビジネススクール、ロースクール、メディカルスクール等)の説明会ではありません。

卒業生の皆さんはもとより、他の方々も新しい京大東京オフィスの見学を兼ねてどうぞ。(未だ関西の方が良く分る最近の卒業生の皆さん:京都大学東京オフィスの有る品川インターシティA棟は、神戸ポートピアホテルにとても良く似た外観です。)

【時】 2009年9月18日(金) 16時30分から18時(+質疑応答)

【所】〒108-6027 東京都港区港南2-15-1品川インターシティA棟27階 京都大学東京オフィス(JR品川駅より徒歩5分)

【講師】 青谷正妥(あおたにまさやす):プロフィール
http://aoitani.net/aotani/Personal_Profile.html

▼内容:

1) 日米大学院比較
2) なぜアメリカの大学院か?
3) 大学院の選択
4) 情報収集
5) 必要書類に付いて
6) 奨学金等(financial support)に付いて
7) 英語力とTOEFL
8) GRE
9) 合格の可能性を高める為に
10) アメリカの大学院での学習・研究
11) 卒業後(日本での就職活動を含む)

登録ページ (携帯email *以外* で御願いします。)
http://aoitani.net:80/Registration_US_09.html

会場確保の関係上、申し込み一次締め切りは8月21日(金)とさせて頂きます。上の簡易登録フォームからお申し込み下さい。

『アメリカの大学院』と言う京大での講義と、著書の『超★理系留学術』(化学同人)に基いて、出発前・留学中・卒業後と言う、アメリカ大学院留学の三つのフェーズを説明します。

京都大学東京オフィスに会議室を借りますが、人数の目安が必要ですので、早目に希望者を募らせて頂きます。(因みに、部屋代はこちらの負担です。)

希望される方は、直ちに登録を頂けますと幸いです。
以上、宜しく御願い致します。
因みに、毎年3月にはTOEFL iBTの説明会を東京でしています。

青谷正妥(あおたにまさやす)


追記: 関西同様、参加者の人数に合わせて、それなりのサイズの部屋を借ります。但し、社内や学内での講演と違い、こう言う場所では治安維持や防災の観点から、参加者名簿を提出し、その人達だけが入れる仕組みです。それが詳細に亘る参加者リストの管理が必要な理由です。ルールですので、面倒でも登録及び出席再確認の方、御協力下さい。出席確認・連絡事項・資料は登録email address(携帯以
外の登録を御願いしています)に行きますので、毎日チェックするaddressを登録して下さい。

追追記: 雑談の域に入りますが、青谷正妥(あおたにまさやす)はこう言う活動を老後の生甲斐に繋げたいと思っています。勿論ボランティア活動で、何時まで経っても無料のままです。(青谷注:最初は只で、固定客が付いたら後から有料化、つまり老後の副業と言うパターンは多いですからね。そんな虫けらではないと公に宣言する事は、個人的にはとても大事なのです。)
---- <引用終了> ----

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自分の研究テーマが、触覚や力覚を扱うハプティックスのため、触覚・力覚はもちろんのこと、聴覚、視覚の役割に関しては、何気ない日常生活の中でも、おそらく普通の人以上に考えていることが多いかもしれない。でも、それはあくまで若干意識している程度であって、しかも残りの五感である嗅覚や味覚は大して活用されていない、・・とダイアログ・イン・ザ・ダークに参加して感じた。

先日の日本滞在中の経験で鮮明な記憶として残っていることに、ダイアログ・イン・ザ・ダーク(以下、DID)が挙げられる。公式ウェブサイトによれば、DID は「まっくらやみのエンターテイメント」だそうだ。完全予約制で、1グループ8名まで。会場は、何時間経っても目が決して馴れることはないであろう、完全な真っ暗闇。その中を、アテンドと呼ばれる視覚障害者のサポートのもと一緒に歩き回り、様々なモノを、視覚以外の五感を最大限に使って感じ取る。

・・と書いても、一体何をするのかまったく想像がつかないかもしれない。まず、真っ暗闇なため、本当に何も見えない。どうやって真っ暗闇を作っているか知りたいくらい、目のすぐ先ですら見えない。だから、アテンドが、「こっちに行くよ〜」と言っても、どっちだかわからない。しかも、下は安全な平地なのか、それとも小川が流れてるのか、まったくわからない。それを、文字通り手探り状態で恐る恐る突き進む(白杖は最初に渡される)。このとき、何かを発見するのは、触覚による部分が大きく、そして聴覚や嗅覚で確認することができる。目では見えないから、他の感覚器を使って、補って感じ取る。そして、何かを見つけたとき、同じグループの仲間と会話することで、情報を共有してゆく。会話をしないと、何かを発見したときの喜びを共有することもできないし、真っ暗闇の中を快適に過ごすこともできない。暗闇の中じゃ空気を読むこともできないし、話さないと、誰がどこにいて、どんなことを感じているのか、まったくわからない。ちなみに、ここまでの話に出てきていない味覚を感じるイベントも、この DID にはしっかりと組み込まれている。本当に良く練られた、「まっくらやみのエンターテイメント」だと思う。

この真っ暗闇の探検が始まる前に、明るいところでメンバー同士、自己紹介をするのだけれど、暗闇の中で過ごす時間の方が長いため、そのときの記憶よりも、真っ暗な中でのその人の口調や態度によって、自分の頭の中で、この人はこんな感じなのかな、という想像が膨らむ。ところが、一度終了して明るみに出ると、「あれ、なんか想像したのとは違う人だった」と思うかもしれない。それは、それまでに視覚以外の情報を最大限に使って作り上げたその人の像が、視覚情報によって一瞬にしてかき消されるため。それほどにまで、ある情報における視覚の占める割合は大きい。もちろん、それが良い場合もある。でも、ときには、視覚以外の感覚器から成る「心の目」を使って、物事を見ることも必要だと思う。特に、大人になればなるほど。

このまっくらやみのエンターテイメント、厚生労働省が後援に名を連ねている。そうしたら、定価8,000円なんていう料金設定(平日昼間学割だと2,800円にまでなるけれど)は、もう少し何とかならないのかなぁと思う。ちなみに、日本は現在、東京渋谷区の神宮前のみが会場になっている。アメリカだとアトランタのみだけど、一般・大人でも約$26程度と、日本に比べて非常に良心的な料金体系。でも、真っ暗闇の中、感覚を英語で説明するのって難しそうだな。。。

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